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花盛り朗読






ユニークな朗読スタイル

Posted by 小林大輔 on 06.2017 日記 0 コメントを投稿
今日の原宿の朗読会。
ゲストとして招いた藤原佐知子さんはエライ!
私は掛け値なくこの朗読仲間の藤原さんのことをそう思います。

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彼女は今日、夢枕獏さんの「髑髏(どくろ)」という作品を朗読したのですが、朗読とは言いながら、台本を一切手に持たず、約25分の作品を「語り」で通したのです。

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考えてみれば、今日ばかりではありません。
藤原佐知子さんのステージでは、大半が台本を持たず作品を頭の中に空んじて朗読ではなく「語り」に徹するのです。
台本を持たないため、そのメリットは沢山あります。
まず表情がお客様に向かってこの上なく豊か。
両手のジェスチャーは頻繁。
文中の間合いはタップリ取っている。
椅子にほとんど掛けることなく、左右に動きがある。
こんな朗読者は、いそうでまずいません。
彼女独特のスタイルといえます。

私の今日のインタビューで、この彼女特有の朗読(というより語り)のスタイルについて、藤原佐知子さんご本人に尋ねてみました。
彼女はニコニコ笑いながら、こう答えたのです。

「はい、私のような決して朗読の上手くない人間は(彼女は、このスタイルを取ることによって、結果的にうまい語りをしているのです。)何か人がやっていない特徴を持たなくてはならないと考えました。それには台本を手放そう。台本を持つまい。そう考えたのです。

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そのための一番の苦労は、私のように歳の若くない人間は、どんなに上がった場面でも、全文を完璧に暗記しておく。これは至難の業でした。しかし、それが不安で、このスタイルを朗読者の誰もやっていないのなら、よーし、私がやってみようと余計、私はそう考えたんです。こうなれば、もう、私の意地ですね…。」

笑いながら本人はそう言います。

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しかし私は、やはりこの人の努力は、言葉以上にスゴイと思います。
誰もやっていないスタイルを「意地」でやり通して、とうとう自分のスタイルとして定着させてしまったのですから。
あなたは数多い朗読者の中で、台本を一切持たない朗読者というのを見たことがありますか?
「意地」が仮にあったとしても「記憶力」がすっかり落ちてしまった私など、このスタイルをやろうったってやれるものではありません。
もし、これで万全、と思っていたストーリーが、肝心な人前でポカッと頭の中から抜けてしまったら…。
この不安があるために、思い切って台本手放しという藤原さんスタイルが、どうしても取れないのです。
で、結局は無難なスタイル。
台本を目の前の書見台に置いて、椅子に腰掛ける、いわゆる朗読スタイルに落ち着いているのです。

人のやっている並のことをしているだけでは、その世界で独自性を貫くことはできない。
人と少しでも異なるスタイルを作りたいと思うなら、その陰でそれなりの努力をしなければならない。

今日のゲスト藤原佐知子さんの「語り」スタイルを見て、私の学ぶところは一杯ありました。

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★写真はいずれもカメラマン・奥富晃さん



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