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花盛り朗読




熊沢南水さん。彼女のひとり語り

Posted by 小林大輔 on 18.2017 日記 0 コメントを投稿
原宿の朗読会、11月6日(月)のゲストは、熊沢南水さん。とうとうこの人をゲストに迎えることになりました。
このことをご案内する私のバナーには早々と「満員御礼」が出ています。

そこで私は、熊沢南水さんの公演「お吟さま」を17日(火)亀戸文化センターへ見に行きました。


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この公演は16日と17日の2回あります。
亀戸文化センター・カメリアホールは400名が入ります。
この日は全席指定。それでもお客様はびっしり入っています。


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会場風景

この作品「お吟さま」のひとり語りで、南水さんは、昨年、芸術祭・優秀賞を受賞しました。
その直後の、言うならば凱旋公演だけに、さしも広いこの会場もお客様でいっぱいです。


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ロビーに芸術祭の優秀賞受賞の表彰状と、記念のトロフィーが飾られてあります。


私は、熊沢南水さんを「隠れた朗読名人。ひとり語りの名人」と思っています。
私の存じている南水さんは、派手さのない、あくまで謙虚で控えめな人柄。そう呼ぶにふさわしい人でしょう。


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熊沢南水さん

余談になりますが、マス・コミは完全にこの人を見落としています。
いや、世に言う本当の名人は、現在のマス・コミをほとんど相手にしていません。

マス・コミ、特にテレビが扱うのは、本物の名人よりも、若くて、ファッショナブルで、ふわふわした人気のタレントが中心。
そういう意味で現在のマス・コミは、かなり偏っています。
私もマス・コミにいただけに、その弱点がよくわかります。

私が南水さんの舞台を見て、ひたすら感心するのは朗読の域を超えていることです。
この人は舞台上で、まず台本を持ちません。
したがって「朗読」と言うよりも、やはり本人の言う「ひとり語り」なのです。

今日の舞台「お吟さま」も、台本は無し。
出演者は、熊沢南水さんひとりだけ。
2時間の舞台を、いささかの淀みもなく、出演者ひとりだけで通します。

私は、この潔い南水さんの舞台姿が好きなんです。
しかし、その陰には、言うに言われぬご苦労、ご努力があることでしょう。
その辺を11月6日(月)、原宿にゲストとして南水さんを迎えるにあたりインタビューしてみましょう。

さて、良いことずくめを列挙しました。
そこで、私が見た今日の舞台について、あえて所感を申し上げます。

朗読は、やはり語る「作品」が問題だ、と言うことです。
何を語るかが問題です。

南水さんが懸命な努力をしたほどには、この作品は会場のお客様に感動を呼んでいなかったような気がします。
それは、南水さんの目指すところが問題ではなく、選んだ作品が問題だったのではないでしょうか。

今日の作品は、比喩的で難解な純文学作品ではありません。
その点、観客を集めてやる朗読は、エンターテイメント(娯楽)だと、かねて申し上げている点で、わかりやすい今日の作品は正解です。

しかし、2時間にわたる一人舞台にしては、この作品は、やや起伏に乏しく、お客様を感動させるまでには至らないのです。

芸術祭の賞をいただくきっかけになった作品「お吟さま」ではありますが、南水さんが、過去にひとり語りを続けてこられた樋口一葉の「十三夜」や「にごりえ」の作品の方が、私にはインパクトがあり、感動を呼んだように思います。

とすると、南水さんが芸術祭の賞を受賞したのは、長年続けてこられた「ひとり語り」の地道なご努力や、ユニークな実践活動全般に対して送られたと、私は推測するのです。

しかし、いずれにしても私は、熊沢南水さんと言う「ひとり語り」の名人の健在を頼もしく感じ、カメリアホールを後にしました。
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