花盛り朗読




第三回「茜雲(あかねぐも)」の朗読会

Posted by 小林大輔 on 31.2017 日記 0 コメントを投稿
10月30日(月)、高田馬場ニチリョクの朗読教室から誕生した女性の朗読集団「茜雲(あかねぐも)」の朗読会が、なかの芸能小劇場で行われました。

【見本】チラシ表


この朗読会は、第一部と15分の休憩を挟んで第二部の二本立てです。

第一部は、「茜雲」3人の女性それぞれ約25分ずつのパーソナルな朗読。
朗読する作品は、3人が自分で選んで持ち寄った独自の作品です。

トップバッターの内田洋子さんは、現代物で連城三紀彦の「絹婚式」。

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2番目は高瀬希実子さんで、山本周五郎の時代物「松の花」。

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最後が、須藤美智子さんによるお芝居で有名な川口松太郎の「遊女夕霧」と、
三人三様、バラエティーにとんでいます

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休憩を挟んで第二部。朗読劇「十三夜」。原作・樋口一葉、戯曲・久保田万太郎の作品です。

実は、この「十三夜」については面白い裏話があります。
「十三夜」の登場人物は4人。女性2名、男性2名です。

女性の2名は、1人が嫁いだ主人公おせきと、その実家の母親の2名。
男性2名は、おせきの父親と、そして第二幕に登場するおせきの幼友達(実は2人は密かに想いを寄せていた。)今は俥引きの男。

「この俥引きは、小林先生やって下さい」と、皆さんの希望で、早々と決定しました。

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問題は残る3人の配役。
これを女性たちは、私の目の前で、なんと、アミダくじで決めたのです。

果たしてその結果は…。
主人公のおせき役には、内田洋子さん。
お父さん役を須藤美智子さん。男役です。
お母さん役には、高瀬希実子さん。
と、それぞれアミダくじを引き当てたのです。
こうして、恨みっこなしで3人はすぐ練習に入りました。
結果的に、この人にはこの配役しかないと思えるほど、それを見事に3人とも自分の役柄を作り上げたのです。

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今日の朗読ぶりを、私は舞台の袖の暗がりでつぶさに聞いて、3人の出来栄えを観察していました。
その結果、私はこの3人の女性こそ、今や「朗読家」といっても恥ずかしくない朗読力を身に付けたと確信したものです。

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ここまで来るのに、彼女たちは大変な努力をしました。
しかしそれは、楽しい努力だったはずです。
私が辟易するほど彼女たちは、私を練習に駆り立てました。
「もう、そんなに全員集まって練習する必要もないんじゃないか…」
私はその都度、心の中でそうつぶやいたものです。

ところが、彼女たちの言葉は共通しています。
申し合わせたように「私の朗読を、先生に聞いていただきたいのです。」
なんとかわいい生徒でしょう。そうまで言われると私も練習に行かないわけにはいきません。

そればかりでなく、彼女たちは私を相手に、夜、電話による個人レッスンをやり始めたのです。
電話による練習方法を開発してくれたのは彼女たちの熱心さの賜物です。

「練習に優るものなし。」
「練習は嘘をつかない。」
とよく言いますが、確かに彼女たちはメキメキ上達して、今日の好結果となったのです。

しかし、これも今日という日があったからと、私は考えます。
上達するには、明確な目標設定をする必要があるでしょう。
彼女たちには、今日の朗読会が、明確なターゲットになっていたのです。

その上、もう一つの幸運は、実はこういうところにもあったと思われます。
それは、彼女たちの奔走や努力によって、朗読会当日の1ヵ月半ほど前から、入場券が早々と完売していたと言う事実です。

ですから、この1ヵ月半、彼女たちは、入場券を買ってくれた人たちのお顔がチラチラと脳裏にあって、この人たちの手前、当日にはヘタな朗読はできないとの責任感から、人を動員する営業活動から解放されたこともあって、余計練習に専念できたのです。

と言っても当日の楽屋は淡々としたものでした。
よくあるスタッフやキャスト全員揃って、バレーボール選手のように片手を重ねて気合を入れるわけでもなく、みんな自分のやることを静かにこなしています。

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3人のリハーサル風景です。この後彼女たちは舞台衣装に着替えます。


私は、こういう静かな楽屋風景こそ「おとな」を感じて好きなのです。

もうみんな、やることをやり尽くして、後はその成果に成功を感じている…。
私はそんなふうに感じ取ったのです。

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撮影はいずれも奥富晃カメラマン。
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