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花盛り朗読




朗読と台本

Posted by 小林大輔 on 20.2017 日記 0 コメントを投稿
「太宰治と一緒にクリスマス&年越し」と題する、幸田弘子さんを中心とする朗読会が、JR中央線・武蔵小金井駅のすぐ前、宮地楽器のホールで昼と夜2回行われました。私が見たのは満席の昼の部です。

朗読と台本1

企画、構成は、幸田さんのお嬢さんの三善里沙子さん。
朗読の出演は、朗読の大御所・幸田弘子さんはじめ、幸田教室の代表的なメンバーの中村雅子さん。
中村さんは、先ごろ、私の原宿の朗読会にも、ゲストとして出演してくださり、太宰治の「黄金風景」を朗読したばかりです。

そして、幸田先生はじめ、作家の本庄慧一郎さんにも師事していらっしゃる(本庄先生は、今日も奥様とご一緒に会場に来ていらっしゃいました。私もご夫妻にご挨拶したものです。)
声楽家で、朗読もやる木山みづほさんの三人。

このお三人は、今日のテーマに沿って、太宰作品を朗読します。
フルート演奏は大澤敦子さんです。
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朗読と台本2

私は、今日の朗読会を拝見するについて、ここを参考にしたいというあるテーマを持っていました。

それはこういうテーマです。

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ステージに登場する朗読者は、朗読する作品の台本をステージ上で、どのように扱うのか…というテーマです。

朗読者によっては、台本にずっと目を伏せて、ついぞ聴衆の方に視線を向けない朗読者もあるものです。
これでは、いかにも初心者めいています。
会場のお客様無視もいいところ。お客様を完全に置いてきぼりにすることになります。

その半面、ステージ上にはいっさい台本を持たないで登場する朗読者もいます。
「ひとり語り」という独自の朗読の潔いスタイルです。
このタイプの朗読者には、私は常々感服します。全文を完璧に記憶しようというのですから、陰で大変な決意と努力がいることでしょう。

私はかねて不思議に思っていました。
「朗読」と言うくらいですから、この場合、許されることとは思うのですが、ステージに登場する出演者が、台本持参でステージに現れることです。
そんな芸なんて「朗読」以外他にあるだろうか…?
「朗読」が「素人芸!!」と陰口を叩かれる由縁は、台本を手に持ってステージに立つことにあるのではないか。
そう思っていました。

いずれにしても、朗読者はある程度台本の内容を記憶しておく必要があるでしょう。
その場合、お客様のどこに視線を注ぐのか。
台本から目を離して文章を語る時、どのような表情を作って、それをお客様にどう見せるのか…。
これは、「朗読」では、結構難しい、かなり高度なテーマです。

案の定、今日の幸田弘子さん始め、三人の皆さんは、手には確かに台本を持っています。
しかし、視線は、手にしている台本を時たまチラッと見る程度で、ほとんど台本には目をやりません。
大半の視線をお客様の方に向けています。
ですから、ステージ上の表情が皆さん、実に豊かです。
きっと、練習時に全文を自然に記憶するほど何度も何度も読み込んでいるのでしょう。

幸田弘子さん始め、三人の朗読から、私はひとつの朗読スタイルを見出しました。

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さて、太宰治の作品です。
幸田弘子さんの朗読「ヴィヨンの妻」は面白かったです。
太宰の諧謔(かいぎゃく)とユーモアが利いており、この作品は太宰作品の中で、幸田さんほど巧みに朗読するならば朗読に向く作品だと思ったものです。
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