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花盛り朗読






朗読のセリフの声の高低

Posted by 小林大輔 on 30.2018 日記 0 コメントを投稿


練馬区のリサイクルセンター豊玉で行なっている朗読教室 23日(火)は、
前夜からの雪。その上インフルエンザも大流行とかで、
欠席者続出のため生徒は8名。
25日(木)は、まだ雪が道路に残っているのに、
それでも28名と、こちらは大盛況。新入りの生徒もかなりいました。

さて、今日お話しするのは朗読する時の「セリフ」についてです。

私の教室のある生徒のことです。
この人は女性の声で読むセリフと、男性の声で読むセリフの二種類を、
声の高さを変えて読み分ける。
こういうセリフの読み方を実践して見せたのです。
女性の声は、かん高いトーンを作ってセリフを読み、
男性の声は、低めのトーンでセリフを言うのです。

一人の朗読者が、わざわざ二種類のトーンでセリフを言うことは
私は簡単なことではないと推測しました。
そこで私は「どうして、そうなさるのですか?」と聞いてみました。


その人はこう言ったのです。
「私が、通っていたもと朗読教室の先生は、男性と女性のセリフは、
必ずトーンを変えるようにと、厳密に教えてくれました。
女性のトーンは高いでしょう。
だから高いトーンで読んでください。
男性の声は低めのトーンを作って読む必要があります。と、教えてくれたんです。
私はその当時の教えに、未だにこだわっているんです。」
その生徒はそう答えたのです。


こんなユニークなセリフの指導をしている教室があるものかと、
私は初めて知りました。
あなたは、朗読で男性と女性のセリフのトーン(高さ)を変えて読みますか?

女性でも言葉を秘そめて言うセリフもあるでしょうし、
ある意図を持って、女性が低いトーンで語る場合もあるでしょう。
必ずしも女性だからと言って
全てのセリフをカン高い、ソプラノで言うとは限りません。

「男・女のトーンを変えてセリフを言いなさい・・・・。」と言うこのやり方。
私も人に朗読を教えていますから、はっきり申し上げましょう。
「この方法は、明らかに間違いです!」
私の永い朗読の経験からも、そう断言できます。

その教室の先生が、生徒にそのような指導を本気でしているのなら、
何か特別な意図があるのかも知れません。
その先生にお願いがあります。
どういう意図があって、そのような指導をなさっているのか、
私に、直接聞かせていただけませんか?


女性のセリフは高いトーンで、男性のセリフは低いトーンで。
これを先生の指導どおり忠実に実行している生徒のセリフを聞いてみると、
私にはなんとも不自然で滑稽に聞こえるのです。

まるで、テレビのアニメ番組を見ているように聞こえます。
その上、女性のセリフはこうあるべき、男性のセリフはこうあるべきと、
画一的に区別している事が、私にはうなずけません。


例えば、伝統芸能と言われる「落語」です。
「落語」は、登場人物のセリフを
演者ひとりで語るという点では「朗読」と似ています。

落語に登場する長屋のおかみさんのセリフを、
落語家がトーンを高くして言っていますか?
決してそんな事はしていません。
落語家は、女性のセリフを言う場合でも、口調だけを変えて、
トーンは男性のセリフと同じまま、おかみさんのセリフを言います。

「落語」でも「朗読」でも、男・女のセリフのトーンは全く同じなのです。
男・女どちらが言っているかの区別は、トーンではなく口調を変えるだけで、
聞く人に充分わかるようにするのです。
あえて言うなら、これは誰が言っているセリフか、聞く人に分かるように、
朗読者が口調をしっかり工夫しなければなりません。


例えば、今私の教室では、川口松太郎さんの「遊女夕霧」をテキストとして、
今年4月まで使用するつもりです。
この作品の中には、セリフがふんだんに出て来ます。

私は、このテキストを4ヶ月使用する間に、私の生徒には、
こと「セリフの作り方」に関しては完璧に会得してもらおうと計画しています。
その時生徒に私が教えることは、これは誰が言っているセリフなのか、
トーンを変えることなく、口調を変えるだけで、
聞く人に自然に分かるようにしてあげたいと思っているのです。







































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