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花盛り朗読




もうひとりの、『ひとり語り』

Posted by 小林大輔 on 08.2018 日記 0 コメントを投稿
藤原 佐知子さん。
私の朗読仲間のこの人を、3月の原宿の朗読会のゲストとして迎えたのは、やはり正解でした。

DSCN6052.jpg
リハーサル時のゲスト藤原 佐知子さんと小林。

藤原佐知子さんは、人柄が明るい反面、この人には意地があります。
表情が優しいわりに根性が座っているのです。

「私は、これといったキャリアのないまま朗読をスタートしただけに、
朗読をやるからには、何か私特有の特徴を持たなくては・・・と考えたんです。」
と彼女は朗読をやり始めた当時を述懐する。

その結果、彼女がたどり着いた結論は
「私は台本を持たずに、ステージに立とう。」

このスタイルは、言うのは簡単だが、実際には大変難しい。
現在、この事をはっきり実行している人は、朗読者多しと言えども、
私は熊沢南水さん一人しか知らない。

南水さんに続いて、「朗読」のスタイルと決別した2人目の
「ひとり語り」が藤原 佐知子さんと言う訳だ。

そのため藤原さんが陰でどれほどの努力をしているか、
私は彼女に話を聞いて舞台裏を知っているだけでに、
それが良く分かる。

南水さんも、藤原さんも、人知れず、言うに言われぬ努力をして
台本を暗記しているのだ。
でも、二人とも、そんな事は人前ではおくびにも出さない。



本番の藤原 佐知子さん

お客様を前にして本番のステージで、自分の語りが
何かの瞬間に頭の中からスポッと抜けてしまう・・・・・。
こんな最悪な場面に出会った時、人は立ち往生することは明白だ。
この恐怖がつきまとうから、ステージに出る時、朗読者はどうしても台本を手放せない。

台本を手放せないから、「朗読」は素人芸だと、
陰口を叩かれる。
だって俳優や女優が、どんなに長いセリフを言う場合でも、
台本を持って舞台に出て、台本をチラチラ見ながら、
セリフを言っている姿なんて、あなたは見たことも聞いたこともないでしょう。
そんなことが許されるのは、お芝居の稽古の時だけでしょう。

朗読だけは、「朗読」という作業にかずけて、
台本を朗読するのは当然のことと、自分から先きに
言い訳を準備しているように見えるのです。

かく言う私も、実は、そんな情けない朗読者です。
理想は台本を持たないで「ひとり語り」をやることだと、重々分かっていても、
それをやる勇気がないのです。

今日の藤原 佐知子さんのひとり語り「松山鏡」を見ても、
熊澤 南水さんのステージを思い返しても、「ひとり語り」をやるお二人には、
目線が決まっており、表情が豊かで、両手によるジェスチュアーが豊富で、
間がたっぷりある・・・・。ことがわかります。

DSCN6051.jpg
リハーサルの時から、表情豊かな藤原さん。

これがストーリーを頭に叩き込んだ「ひとり語り」の人のメリットです。
努力した効果は、舞台で確かにあります。
この成果は、台本をひたすら朗読するだけの人には、
無いものですね。
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